H&K PSG1


265
H&K PSG1は、独ヘッケラー&コッホ社が対テロ特殊部隊向けに同社のG3(G3SG/1)をベースに開発した、セミオートマチックの狙撃銃である。
なお、PSG1とは独語で「Präzisionsschützengewehr1(1号精密狙撃銃)」を意味する。

概要と特徴
開発の元となったのは1972年9月5日に発生したミュンヘンオリンピック事件である。この事件では、当局の不手際と装備の不足から、人質となった9名のイスラエル選手全員及び警察官1名が死亡する惨事となってしまった。 この事件により西ドイツ政府は、銃器メーカー各社にセミオートの狙撃用ライフルの設計を依頼し、その結果、ヘッケラー&コッホ社のPSG1が採用された。また、当時、ワルサー社がWA2000を開発したが、PSG1と同じく7,000ドルと高価だった為採用には至らなかった(価格が同じであるのにPSG1の方が採用された理由は不明である)。
元々、オートマチックライフルはボルトアクション方式のライフルに比べ、構造が複雑で命中精度が低下するため、狙撃ライフルには不向きであった。しかし、セミオート式はボルトアクション方式のライフルに比べて重量はあるが、複数の標的に対する対応が素早いという利点がある。
PSG1はG3の中から特に命中精度の高いものを選び、これを基に、熟練した銃器職人が手作業で制作することで、セミオートマチックでの高い命中精度を実現した。これにはG3がガスポートを持たないローラーロッキング・ディレードブローバックだったため、バレルのフルフロー化が容易であったという理由もある。
ストックは繊維強化プラスチック(FRP)でできており、射手の体格にあわせて、パッドなどのサイズ調節が可能になっている。

採用状況
現在、ドイツのGSG-9、イギリスのSAS、韓国のKNP-SWATなどの、各国の特殊部隊・特殊警察部隊に配備されている。また、日本警察の特殊部隊(SAT)及び海上保安庁特殊警備隊(SST)などに配備されているとも言われている。
日本国内で少数ではあるが民間で所持されている個体もある。
値段は7,000ドルと高額な為、配備される部隊は限られているのが現状である。さらに、構造が複雑で繊細なため、整備に手間がかかり、有効射程距離が比較的短いことなどから、一部を除くとほとんど使用されていないともいわれている。
トルコではMKE社がTUFAN-80として、パキスタンでもPOFがPSR-90としてライセンス生産している。
71

H&K PSG1 wikipedia 

目次
1.H&K社(ヘッケラー&コッホ)
2.特徴
3.画像
4.動画
5.関連



H&K社(ヘッケラー&コッホ)
H&K

http://www.heckler-koch.com/en.html
ヘッケラー&コッホ(独:Heckler & Koch GmbH、ヘックラー・ウント・コッホ・ゲーエムベーハー)社は、ドイツの銃器メーカーである。本社はドイツ南部のバーデン=ヴュルテンベルク州のオベルンドルフ (Oberndorf am Neckar) にある。また、アメリカ国内に子会社を持っている。本項ではH&K社と略記する。 USP(自動拳銃)、MP5(短機関銃)、MP7(個人防衛火器)、PSG-1(高精度狙撃銃)、G3およびG36(自動小銃)などを製造している。

H&K は、1949年にドイツの歴史ある銃器メーカーのモーゼル社を退職した3名の技術者、エドムント・ヘックラー(ドイツ語版)とテオドール・コッホ(ドイツ語版)、アレクス・ザイデル(ドイツ語版)が、1950年に設立した。設立当初は、ミシンやその他の精密機器を製造していた。しかし、1956年にドイツ連邦軍が創設されると、軍用火器を製造する方針に切り替えた。Keine Kompromisse!(妥協しない)をスローガンに活動している。
1991年、H&K はブリティッシュ・エアロスペースの一部門であるロイヤル・オードナンスに買収された。ブリティッシュ・エアロスペースの傘下で、SA80の改修と改良に貢献した。その後、ブリティッシュ・エアロスペースは1999年にBAEシステムズに変革し、H&Kの部門は2002年に宇宙航空用途のためにドイツに作られたグループ企業 (H&K Beteiligungs GmbH) へ再び売却された。 2009年、ドイツの有名銃器メーカー「ハーネル」を買収した。
ヘッケラー&コッホ wikipedia

特徴

PSG1は、ボルトアクションの狙撃銃では不可能だった迅速な連続発射を実現し、自動小銃という部品が多く複雑な構造の銃ながら、高精度の部品を厳選して使用する事で高い命中精度を維持している。排莢口後部には、M16/AR15のボルトフォワードアシストに似たボルト閉鎖装置が追加され、独立したチークパッドやパームレストにより、射手の手の大きさや体格に合わせてある程度まで調節することが可能となった。トリガーも、射手が自身に合わせてプルや引き代を調節可能で、ユニットごと取り外してアジャスト作業ができる。銃身はオリジナルよりも厚みを増したフリーフロートのヘビーバレルで、ライフリングはポリゴナル形状とされた。
 セミオートマチック狙撃銃の最高峰と評されたPSG1だが、弱点もある。それは余りにも重いということで、重量は銃を安定させるのに役立つものの、長時間の携行が困難となる。そして更によく言われるのが、精度の高い部品のみで構成されているため製造コストが高く、1挺の価格が7,000ドルと非常に高価な事である。そのため1987年にはPSG1の廉価版としてMSG90が誕生している。
H&K PSG1 【自動小銃(狙撃銃)】 MEDIAGUN DATABASE 

直系の先祖となったのは、G3の民間仕様であるHK91ライフルであり、これを土台として、アナトミーグリップが付属した狙撃用のトリガーグループや、競技用バレルを装備させ、ストックも分厚く、チークピースが付属する。 照準器は備え付けの6×42倍スコープを使用し、アイアンサイトの類は一切装備していない。

また、より重量を増大させたプレス成形レシーバーを用いることにより、狙撃時の安定性向上を見込んでいる。 重量の増大は柔軟な運用の妨げともなるが、この銃は専用の三脚を用いて、依託射撃することを主眼として設計されているため、この銃の使用を想定する状況の中では重量が問題となることはないだろう。

上記のとおりかなり無茶な要求に応えただけあり、従来のセミオートマチックより優れた命中精度と、ボルトアクションでは真似のできない連射力を実現している。
ロングマガジンを使用すれば最大20発もの連射が可能であり、撃ち損じや複数目標への対処力が非常に高い。
PSG-1 ニコニコ大百科 


画像

260
262
263
266
264


動画

 H&K PSG1
  

 実弾射撃 H&K PSG-1 スナイパーライフル (HK PSG-1 Sniper Rifle)
  


関連


エアガン